デジタルカメラ講座

LUMIX
絞り値と表現の違い
【第六回】

露出をコントロールする要素のひとつが絞りです。絞り値を変えるとレンズを通過する光の量が変化します。また絞り値を変えることにより、被写界深度もコントロールできます。

絞りの働きはふたつあります。ひとつは露出量のコントロール。もうひとつは被写界深度やボケの表現です。絞りを開くと被写界深度が浅くなり、バックがボケてきます。絞り込むほど被写界深度は深くなり、手前から奥までしっかりピントが合うようになります。この効果により、空気感や奥行き感の演出、主題のクローズアップや遠景までピントを合わせるパンフォーカスなど、多彩な表現が楽しめます。

絞りによる露出のコントロール

人間の眼の瞳孔と同じに、レンズを通過する光の量を絞り羽根の開閉によってコントロールするのが絞りです。
絞りを開く(F値を小さくする)ほど光の量は多くなり、絞り込む(F値を大きくする)ほど、取り込まれる光の量は少なくなります。
●絞りを最大に開いた状態を「開放」といい、最小に絞った状態を「小絞り」といいます。

※F値とは、レンズの焦点距離を有効口径で割った値です。

■絞りと光量

絞りと光量

■同じシャッター速度で絞り値を変えてみました。

開く
絞り込む
●絞り値:F2.8
●シャッター速度:1/125秒
●絞り値:F5.6
●シャッター速度:1/125秒
●絞り値:F11
●シャッター速度:1/125秒
絞り開放で撮ったため、光の量が多く白っぽい写真に。
絞り込んで撮ったため、光の量が少なく暗い写真に。

絞り値の変化による表現の違い

絞り値を変えることで、被写界深度やボケをコントロールしてさまざまな写真表現が楽しめます。

開放絞りではピントの合っている被写体の手前も大きくボケて、主題をクローズアップしています。
・開放F値の明るいレンズを使うほど被写界深度は浅くなり、より大きなボケが得られます。
中間絞りでは、まん中あたりからボケはじめ、奥へ行くほど大きくボケが広がっていきます。 手前から奥の被写体まですべてがしっかり写しこまれています。
・被写界深度は絞りの他、レンズの焦点距離が短いほど、また撮影距離が遠いほど深くなります。
画面の手前から奥までをシャープに描くパンフォーカス表現を行うには、広角レンズを小絞りで使うのがポイントです。


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