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デジタルカメラ講座
原色系フィルターと補色系フィルター
【第二十九回】
光の強弱しか判断できないCCDから各色別の明暗情報を得るためのカラーフィルター。
原色系フィルターと補色系フィルターの2種類があります。
原色系フィルターと補色系フィルターの2種類があります。
CCDからカラー写真に必要な色別の情報を取り出すために欠かせないカラーフィルター。赤、緑、青の3色によるRGB原色系フィルターと、シアン、マゼンタ、イエロー、グリーンの4色によるCMYG補色系フィルターの2種類があります。一般にRGB原色系フィルターは色の鮮やかさにすぐれ、補色系フィルターはシャープさや感度にすぐれる傾向がありますが、重要なのは画像処理エンジンを含めた総合力です。
原色系フィルターの配列
- 原色系のフィルターでは、RGBのフィルターと同じ色の光だけを通し、3色分のデータをRGBカラー空間のデータへと変換してカラー写真を構成します。
- 人間の眼は緑に対して感度がよいという性質を応用して、RGB各色のフィルターを均等に配置するのではなく、G(緑)用を他の2倍に増やすことでシャープに見せる工夫がされています。
- 原色系フィルターは色の鮮やかなトーンを得ることができますが、光の透過率が悪く、補色系フィルターに比べると低感度になる傾向があります。
補色系フィルターの配列
- 補色系フィルターでは、原色系フィルターに比べて波長の透過範囲の広いフィルターが使われています。
- C、M、Yの3色とともに、人間の眼にとって最も多くの輝度情報が含まれるG(緑)を加えた4色でデータをつくり、最終的に演算処理によりRGBの原色を生み出してカラー写真を構成します。
- 原色系フィルターより多くの入射光を利用できることから、一般的に解像度が高くなります。
原色系と補色系、どちらがいいか?
一般に、原色系フィルターは色再現と色S/Nが良く、補色系フィルターは感度と解像度が高い特性がありますが、現在のデジタルカメラでは原色系フィルターが多く用いられています。これはデジタルカメラでは色再現性が重視されることと、原色系フィルターでも解像度を高める信号処理が開発されたためです。