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よくあるご質問
なるほど家族のビデオカメラ学
CCDって何のためにあるの?
●CCDって何?
ケン:お姉ちゃん、ちょっと来てよ。
タミー:なーに?ケン。
ケン:デジーの目って不思議だなあ、細くなったりまあるくなったり。みてよ、羽で遊んでやると黒目がグルングルンにおっきくなるでしょ。どうしてこうなるの?
タミー:あー、よかった。あんたもやっと落ちついて何かを観察できる年頃になったってことね…。でもそれどころじゃないの。今の私にはもっと不思議でしょうがないコトがあって頭がいっぱいなのよ。
ケン:なーにそれ?
タミー:このPanasonicのビデオカメラよ。この小さな機械がデジーや私たちと同じように光を見ることも、音を捕らえることもできるのよ。そして、おまけにすごくキレイな映像をバッチリ残してくれるんだもの。そうだ、パパならこのしくみがわかるかもしれないわ。どうしてビデオカメラは「見る」ことができるのか、ずっと謎だったのよ…。このあいだパパは「CCD」がどうとかっていってたなあ。
ママ:実は私にもずっと不思議なことがあるわ。
タミー:なに?ママ。
ママ:どうしてあなたとパパがこのビデオカメラのことでそんなに意気投合できるのかってこと。まあいいわ、パパなら書斎でチェスの研究中よ。遊んであげてちょうだいな。
タミー:OK、ママ!
パパ:CCDなんて言葉よく覚えてたね、タミー。じゃあ今日はそのCCDについて教えてあげよう。
タミー:たのむわ。パパ。
パパ:それにはまず、ビデオカメラがどうやって像をとらえているのか、その構造を理解する必要があるね。つまり、きみがいつもカメラを向けて楽しんでいる景色や人物の映像、こいつがどうやってビデオカメラの中に取り込まれるのか?そのしくみを知っておく必要があるんだ。
タミー:フムフム。
パパ:実はビデオカメラも普通のカメラもそのメカニズムを説明したいときには人間が物を見るときのしくみに例えればとっても都合がいいんだ。
タミー:ヘェー。
パパ:じゃあ、とりあえず人が何かを見るときのプロセスをたどってみよう。まず、目に入ってきた景色や物の光は水晶体によって集められ、網膜の上に像を形づくる。そして次に網膜にある視細胞っていう場所がその像を刺激としてキャッチするんだ。その刺激は視神経というケーブルをどんどん伝わっていく。そして最後には脳にたどり着いて、視覚野っていう部分で解析されるんだ。これでやっと人は映像を「見た」と感じることができるというわけ。
タミー:いきなり難しい言葉がいっぱい出てくるね!でも大丈夫、3つのステップを踏んでいるって考えればいいんだわ。
1.光を集めて像をつくる(水晶体)。
2.その像を網膜っていう部分が刺激としてキャッチする。
3.刺激は脳に運ばれて詳しく調べられる(視覚野)。
こういうことでしょ?
パパ:まったくその通り、ちゃんとわかってるじゃないか。そう、その3つのステップと同じようなことがまさにビデオカメラの中でも行われているってことなんだ。つまり水晶体はレンズ、視覚野は画像処理回路、そして網膜が今日の主役「CCD」の役割をしていると考えればとてもわかりやすい。
タミー:なるほどね。
パパ:そしてこのCCDがまた人の網膜ととても似たしくみを持ってるんだ。
タミー:そうなの?
パパ:ああ、人の網膜には光を刺激に変える視細胞っていう小さなものがたくさん集まっているんだけど、これと同じようにCCDという部分にもまた「画素」とよばれるものすごく小さな点々があって、これが碁盤の目のようにギッシリと整列しているんだ。
そして入ってきた光を細かく仕分けして、せっせと電気信号に変えて送りだしている。レンズを通ってきた映像は、その小さなな画素1コ1コによって下図のように分解されるんだよ。
タミー:うわぁー、この拡大図なんだかTVでよく見るモザイクってやつみたいね。特に一番右のなんて、パパのこのチェス盤と一緒。色の違うマスが並んでるだけだわ。
パパ:そう、これが画素の正体ってわけ。そしてこの図を見ても分かるように画素がたくさんあって細かいほど、画像はなめらかで自然に見えてくるんだ。つまりどんどん拡大してもカラフルなチェス盤みたいにギザギザにならず、まだまだ細かくて滑らかな画像がみれるような、そんなより優秀なCCDが必要とされている、というわけなんだ。
タミー:でも考えてみればそうだわ。いくらデジタルだって言っても肝心の「目」の部分のキメが粗かったとしたら、なんにもならないってことね。
パパ:その通り。美しい映像をテープに記録するために、このCCDは画像を細かく分解して認識させるというとても大切な役割を持っているんだよ。ケン:お姉ちゃん、助けて〜!。
タミー:お父さん、ケンが庭で何か騒いでるわよ。行ってみましょ。
・・・・・・・・・・・・・・その頃庭では・・・・・・・・・・・・・・・・・
ケン:助けて〜!目をまわして遊んでたら、デジーが怒っちゃったよ〜。
デジー:待てだワン!
パパ:ケンもがんばり屋さんだな。ほらデジーとかけっこの練習をしてるよ。
タミー:ほんとだ。ケンって結構走るの早いんだね〜。