デジタルカメラ講座

LUMIX
レンズコーティング
【第十七回】

逆光にもフレアなどが発生しにくく、コントラストも解像力も低下しない、さらに
カラーの発色の良さなど、優秀なレンズづくりの基本がコーティング技術です。

シャープで鮮やかな描写のために、レンズにはさまざまな技術が投入されています。そのうちフレアやゴーストを低減する技術がコーティングです。レンズ表面に薄膜を蒸着して、被写体からの光をレンズ面やレンズ内部で反射させることを防ぎ、光の透過率を高めます。これにより逆光時にもフレアやゴーストの発生が低減。また高度なマルチコーティング技術は、カラーの発色の良さにも貢献します。

コーティングが施されたレンズ

コーティングされたレンズは、レンズ面が赤、緑、青などの色に輝きます。色の違いはレンズに蒸着された素材の固有の色です。異なる素材を複数の層に重ねたのがマルチコート(多層膜コート)。さまざまな光の波長に合わせて、最適の反射防止膜を施した高度なコーティング技術です。透過率を上げる、反射を減らすといった役割だけでなく、可視光の波長域内でカラーの発色を厳密に管理するという重要な働きをします。

コーティングでレンズ性能が飛躍的にアップ

コーティングのないレンズは、レンズ面やレンズ内部で光の反射が多く、透過率が悪くなるとともに、反射した光が有害光となってフレアやゴーストの原因になります。対してコーティングを施したレンズは光の透過率が高まり、有害光成分も減少。クリアな撮影が可能になります。

コーティング効果の概念図
コーティング効果の概念図

コーティングの効果

レンズを強い光源に向けた時に発生する光のカブリ現象をフレアと呼びます。
コーティング処理により、逆光などにもフレアの発生の少ないレンズとなります。

コーティングなし コーティングあり
フレアが発生している。 フレアのない美しい画像。
ガラスでもレンズ性能は大きく変わる

光を透過させるレンズですから、当然、ガラスの質の違い、硝材によって優劣が生まれます。たとえば、望遠系のレンズでは色収差の影響が特に大きく、色ズレやシャープネス低下が発生しやすくなります。それを劇的に解消したのが、特殊低分散ガラスを用いたEDレンズ。APO(アポクロマート)レンズとも呼ばれ、高性能な望遠レンズには必ずと言っていいほど使われています。

LUMIX G VARIO 45-200mm
LUMIX G VARIO 45-200mm/F4.0-5.6/MEGA O.I.S.
レンズ構成: 13群16枚(EDレンズ3枚)


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