文書番号:3908

「大人数の集合写真を撮る」ですね。
下の解説をご覧ください。

集合写真の撮影は、みんなの思い出を引受けることになるので、プレッシャーを感じる撮影です。カメラの設定はもちろん大切ですが、カメラマンの気配りが写真のでき栄えを左右するので、堂々とした態度で臨みましょう。

 

 

アドバイス1 カメラマンの気配りが、重要なエッセンス

 

手順1. 撮影場所を選ぶ

被写体との距離を調整できる、広い場所が大前提です。かつ、日陰になっている場所を選びましょう。顔に影が落ちるので、逆光や、日差しの強い場所は避けてください(帽子もできれば取ってもらいましょう)。雲が出ているようであれば、太陽が雲に隠れるのを待つのも、ひとつの手段です。

 

手順2. 効率的な並びをつくる

冒頭の写真のように身長差を利用したり、前列の人に屈んでもらうなどして、顔が重ならないような列をつくります。また、ピンボケを防ぐために、前列と後列の距離を詰めてもらいましょう。さらに高い位置からカメラを構えることで、奥行きが減り、全体にピントが合いやすくなります。

 

顔が重ならないように

前列・後列の距離を小さく

三脚を使用し、高い位置でカメラを構える

 

手ブレの防止と、安定した構図の維持のために、三脚でカメラを固定しましょう。これにより、カメラマンの両手も空くので、声かけに集中できます。

 

手順3. 撮影する

「撮りますよ!」「3、2、1、ハイチーズ!」と、大きな声で、笑顔で声かけしましょう。また、あらかじめ「何枚か撮りますよ!」と宣言しておくことで、撮影する側もされる側も、余裕をもって撮影に臨むことができます。カメラマンの「ありがとうございました!」で撮影終了です。

 

アドバイス2 カメラを設定する

 

設定1. レンズを選ぶ

構図を調整しやすい標準ズームレンズがおすすめです。広角側での撮影は、周辺が歪む可能性があるので、微調整程度にズームを行います。被写体にも、なるべく中央に集まってもらいましょう。周辺に少し余裕がある程度のフレーミングで撮影することで、後のち、トリミングでの調整も行いやすくなります。

 

 

 

 

【設定2. 画質を設定する】

撮影メニューの[クオリティ]で[RAW+JPEG]を選択します。RAWデータとは、カメラ内部で処理が行われていないオリジナルデータのこと。付属ソフトのSILKYPIXで、自分の思い通りに露出・ホワイトバランス・トリミングなどを調整して、JPEGに現像できます。

 

 

 

わかりやすいメニュー構成で、かんたんに調整できます。

※インストール可能なパソコンなど、詳しい動作環境は、SILKYPIX®公式ページ でご確認ください。

 

設定3. 露出を設定する

これまでの説明からもおわかりのとおり、集合写真の成否は、複合的な要素の上に成り立ちます。ややこしい設定は行わず、まずは、[ (プログラムAE)]モードで、以下の設定にも注意しつつ、シンプルに撮影しましょう。

 

  • ホワイトバランスは[AWB]
  • フォーカスモードは[1点]
  • ISO感度は[ISO160] ⇒ シャッタースピードが遅く、被写体がブレる場合は、高めに調整

 

絞りはカメラが任意で設定してくれます。絞り値が小さすぎる場合、一部の人にピントが合い、残りの人がピンぼけしてしまうことがあります。その場合は[ (絞り優先AE)]モードに切替えて、絞り値を大きく調整。絞りすぎるとシャッタースピードが遅くなるなど、かえって失敗の元になるので、F8前後の数字をめやすにしてください。

 

【オートブラケットで撮影する】

日差しによる陰影が強く、調整が難しい場合などは、オートブラケットで撮影。撮影メニューから[オートブラケット]を選び、[ (連写)]を選択すると、設定枚数まで露出を変えながら連続撮影できます。

 

 

[ドライブモード]ボタンから[オートブラケット]を呼び出し、補正幅を設定します。最大7枚まで撮影できますが、通常は[3・1/3 (3枚撮影・±1/3)][3・2/3 (3枚撮影・±2/3)]の補正幅を選びましょう。

ただし、スキー場や、被写体の服が白っぽくなりがちな夏場など、画面全体に白が多くなる場合。逆に画面全体に黒が多くなる場合などは、補正幅を[3・1 (3枚撮影・±1)]にして撮影してみましょう。

 

 

【自分も一緒におさまる場合は】

撮影メニューから[セルフタイマー]をタッチして選び、[]をタッチします。約2秒間隔で3枚撮影できます。

※ オートブラケットとの併用はできません。

 

 

アドバイス3 屋内撮影での注意点

 

【ISO感度をあげる】

屋外よりもシャッタースピードが遅くなるので、被写体ブレに注意しましょう。ブレは付属ソフトでも補正ができません。シャッタースピードが1/30秒を下回るようであれば、ISO感度を上げてシャッタースピードを調整しましょう。


ISO感度を上げすぎると画質が落ちる可能性があります。普段からさまざまなISO感度で撮影をおこない、納得できる画質を見つけておきましょう。


 

【ホワイトセットを行う】

屋内撮影では、照明の光、窓からの光など、光源が混在する場合があります。あまりに写真が赤っぽくなったり、黄色っぽくなったりすると、付属ソフトでの補正が難しくなります。

[WB]ボタンから[セットモード1、2]を選び、[ホワイトセット]をタッチ。カメラ正面の人に、白い紙や白いナプキンを持ってもらうなどして、白いものだけを枠内に映し、[決定]を押します。

 

【フラッシュのガイドナンバー(GN)を確認する】

フラッシュを使用する場合に備えて、事前にガイドナンバーを確認しておきましょう。どれくらいまで光が届くか、以下の計算式で導き出すことができます。『適正露出で撮影できる距離(m) = ガイドナンバー (GN) ÷ F値』

 

本カメラの内蔵フラッシュは、GN10.5相当 (ISO160・m)。ISO感度を[160]、F値をF3.5に設定したとして、約3.0m先の被写体まで適正露出で撮影できます。また、ISO感度をあげると、この距離を伸ばすことができます。

 

ISO感度160を基準にした場合の、撮影距離

ISO感度 ISO160 ISO320 ISO640 ISO1250
距離 1 約1.4倍 約2倍 約2.8倍

 

外部フラッシュ(別売)を利用すれば、様々なシチュエーションに、より柔軟に対応できるようになります。また、フラッシュをたく場合は、影が落ちる可能性があるので、被写体と背後の壁の間に、距離を確保するようにしましょう。